特殊清掃業者が、実際に使用する道具を公開!!

特殊清掃業者が使用する道具とは?

今回は、お客様より、「どんな道具を使用しているのですか?」と質問を受ける事が多いので、今回は特殊清掃業者が使用する工具や道具について説明をしてゆきたいと思っております。
しかし、薬品(消臭剤、殺菌剤、補助薬品等)や、特殊な塗料は企業秘密なので、今回これは割愛いたします。
また、別のコラム「ゴミ屋敷清掃業者が、実際に使用する道具を紹介!!」がありますが、これとは別に、特殊清掃の場合に使用する道具を紹介してゆきます。

弊社の所有する特殊清掃時に使用する道具

1)オゾン脱臭機(プラズマ×オゾン方式)

オゾン脱臭による脱臭作業は、機械の性能と、工程によって全く効果が違ってきます。
また機械の性能は、オゾンを発生させる濃度で変わります。
弊社の使用しているオゾン脱臭機は、1時間に、7,500mg/hのオゾンを発生させ、 この大きさで1台800m³(立方メートル)までの大規模スペースに対応可能です。
またこのオゾン脱臭機を稼働させたまま。室内に防毒マスクなしで、2~3分もいれば、肺が痛くなり、翌日には風邪の時のような緑の痰が出るほどで、体の小さい犬や猫などは、直ぐに死んでしまうレベルの物です。
国産機や、1万円前後の機械と比べると、オゾン発生濃度に格段の差があります。
 

2)サーキュレーター

オゾン脱臭の際に、オゾンと臭いを循環させながら結合するために使用します。
また、数台を設置する事で、廊下や2部屋以上の脱臭を行う場合、オゾンを回流するように設置します。
写真は5台ですが、弊社には約15台のサーキュレーターがあります。

3)加湿器(超音波型)

これもオゾン脱臭作業に用いますが、加熱型ではなく、超音波型です。
この理由は、加熱型や加熱&超音波型を使用すると、使用する薬品によっては、薬効が変わるからです。
加湿器を使用する理由は、オゾンは臭いとそのまま結合するのではなく、薬品や消臭剤の水分と結合するので、加湿器を用いるのです。
この中に、オゾン濃度を高める薬品や、消臭剤を入れて使用します。
中に色々な薬品を入れて使用するので、壊れやすく、弊社では市販の安価なタイプを使用しています。

4)噴霧器(電動マイクロミスト型、手動型ポンプ式)

電動マイクロミスト型は、オゾン脱臭前に使用したり、広範囲に効率よく薬剤を散布する際に用います。
手動型ポンプ式は、部分部分に薬液を浸透させたい場合に使用します。
 

5)電気ストーブ、電気ヒーター

これは、孤独死などの冬場の現場で、オゾン脱臭の際に使用します。
オゾン脱臭には、適温、適湿があり、寒い場合に温度を上げて、効果を最大にする場合に使用するのです。

6)防護服、耐油・耐薬品ゴム手袋、靴カバー、防塵マスク、防毒マスク、ゴーグル、ヘルメット

防護服(デュポン社製)は、ウイルス感染の恐れがある場合や、洗浄や消毒時に、体液が飛び散り、身体や衣服に付着する恐れがある場合に使用します。
耐油・耐薬品ゴム手袋は、一般のゴム手袋に比べ厚みがあるので、耐久性がある事、そして耐薬品性があるので、強い薬品を使う際に使用します。
また、肘まである長いタイプもあります。
靴カバーは、特殊清掃現場で、体液汚染を広げないようにする為の物です。
防塵、防毒マスクは、アタッチメントを変える事で、防塵仕様や、防毒仕様にする事が可能です。
ゴーグルは、体液洗浄の際にも用いますが、電動工具を使った際に、破片が飛散する場合があり、こういった場合にも使用します。
ヘルメットは、解体工事、高所作業や、工場内作業の際に使用します。

7)ディスクグラインダー(マキタ製)

これは非常に便利な工具で、アタッチメントを変えるだけで、切る(左)、削る(右)などの作業が可能です。
しかしながら、回転工具は非常に危ない物であり、ストップ機能付きの物を使用し、必ずカバーを付けて使用しています。
写真左の切るアタッチメントは、金属用のカッター刃です。
写真右のアタッチメントは、コンクリートを表面を削るカップ式の物です。
 

8)ディスクグラインダー(削り)+集塵機(マキタ製)

写真は、2つの機械を接続した仕様です。
ディスクグラインダーに集塵用のアタッチメントを付け、ホースを接続できるようにして、そのホースが集塵機に接続し、削りながら集塵する事が可能です。
火事現場などの煤が付着したコンクリートを削る際に、大量の粉塵が発生するため、これを抑制するために使用します。
またこの小型集塵機は優れもので、ディスクグラインダーのスイッチが入ると、自動で集塵機も稼働します。

9)ディスクグラインダー(切断)+集塵機(マキタ製)

これは、ディスクグラインダーの先に電ノコ用の集塵アタッチメント付け、ホースを接続できるようにして、そのホースが集塵機に接続し、切りながら集塵する事が可能となります。
孤独死現場で、床などを切り取る際に、体液で汚染された木くずをまき散らさない為に用います。
8)と同様に、ディスクグラインダーのスイッチが入ると、自動で集塵機も稼働します。
また電ノコ用のアタッチメントは、刃の角度や深度が変更設定できるので、床を切り取る場合に、リフォームの際に重要になる横柱を切り取らない様にすることが可能です。

10)電動ノコギリ(丸刃タイプ リョービ製)

これも先に説明した物と同様に、刃の角度や深度が変更し設定できるので、床を切り取る際に、リフォームの際に重要になる横柱を切り取らない様にすることが可能です。
但し、作業時に集塵が出来ない為、作業の際には、他の者が、ハンディタイプの集塵機を持って補助します。

11)マルチツール(ボッシュ社製 充電式)

これは、非常に便利な工具で、写真に写っている数種のアタッチメントを変える事で、木の切断や、釘の切断、石膏ボードの切断、スクレーパーの様に剥ぎ取ったり、削る事が可能になります。
また、写真の様に歯の角度も向きも自在に変えられるので、手の向きや、利き手に応じて、狭い現場でも、便利につかえる事から、一番現場で使用頻度が高い工具と言えます。
写真は、充電式ですが、弊社ではパワーに勝るコード付きのタイプも所有しています。
ボッシュ社製なのは、他社製含め様々なアタッチメントが一番多く取り付けられるからです。
ただ、難を言えば、替えのアタッチメントが高額な所です。
    

12)レシプロソー(マキタ製 充電式)

これも電動ノコギリの仲間ですが、マルチツールで小さいな穴をあけた後に、レシプロソーの刃を入れ切り取ります。
マルチツールは長い距離の切り取りには向いていないので、電ノコかこのレシプロソーを使用します。
弊社の場合、レシプロソーは充電式で、電気の通電が無く、電ノコを使用できない場合に使用します。
またバッテリーも、高出力の18Vの6,0Apで、効率良く切る事が可能です。
 

13)インパクトドリル(マキタ製 充電式)

これは振動しながらドリルで穴をあけるタイプの工具で、主に防鳥ネットなどを設置する際に、コンクリートに穴をあける際に使用します。
インパクトドライバーのアタッチメントを変えて、穴があけられそうですが、インパクトドライバーではパワーが足りず、コンクリートの穴あけ作業では、こちらを使用します。
掘る深さも変えられますし、ドリルの口径で開ける穴の大きさも調節できます。
また、下方に黒い棒が付いていますが、これは穴をあける際の深さを決める物であり、これを調節して穴をあけます。
穴あけ後に、アンカーを打込み、ネットをネジなどで固定します。
これには、集塵用のアタッチメントが付属しており、一番左の写真の様にドリルの周りにカップが付き、ホースと小型集塵機を付けることが出来るので、集塵しながらの作業が可能です。
  

14)コンクリートハンマー(リョービ製)

コンクリートを破壊する場合に使用します。
孤独死現場で、コンクリートを張っている隙間の部分から体液が床下に入り込んでいる場合に、コンクリートを壊して床下を見る場合等に使用します。
また、解体現場でも使用しています。
写真は、スクレーパー用のアタッチメントが付いていますが、これはコンクリートの下地に、床材が接着剤で張り付けてある場合、これを除去する際に使用します。(*実際は、スクレーパーアタッチメントは反っている方を上で使用しますので、写真は逆になっています。)
難を言えば、振動が凄いので、手がしびれるところです。
 

15)漏電防止用コードリール

アースが付いている工具に使用でき、3つコンセントの挿し口があり、防塵、防水タイプなので、野外でも使用できる優れものです。
弊社は3つ所有しています。
コードリールを使用する際の注意点ですが、巻いたまま使うと発熱をして発火の原因となるので、使用する際は、コードをリールから全て出してから使う事がポイントとなります。

16)漏電防止用延長コード

こちらもアースが付いている工具に使用でき、防塵、防水タイプなので、野外でも使用できる優れものです。

17)集塵機(設置型、掃除機型 マキタ製)

設置型は、広い範囲の粉塵を集塵します。(写真はホースを映しておりません)
これの難点は、メーカーの集塵袋を掃除する際に、非常に手間がかかることです。
掃除機型は、設置型では集塵しきれなかった粉塵を集塵します。
この掃除機型の優れている所は、乾湿両用であり、水分があっても集塵が可能です。
 

18)ブローワー(集塵用、リョービ製)

これは、草刈り現場なのでよく見る物ですが、その場合は、空気を出しながら葉を集めたりしています。
弊社のタイプは、吐き出すだけではなく、吸い込みも出来るので、ハンディの集塵機として使用しています。
弊社は2台所有しています。

19)充電式掃除機(マキタ製)

電気が無い現場で使用する充電式の掃除機です。
バッテリーが他のマキタの工具と併用できるので、便利なツールです。
弊社では2台を所有しています。
難点は、やはり吸引力に劣り、吸い込めるゴミの量も少ない点です。

20)スチームクリーナー(ケルヒャー社製)

写真の物は、プロ仕様の高温スチームクリーナーで、ペット臭や死臭の現場で、除菌とタンパク質の破壊をする場合に用います。
約100度のスチームが噴射されるので、かなりの効果が期待できます。
よって、殺虫剤では死なない、トコジラミなどの害虫の卵を死滅させる場合も使用します。
他にも、小さいタイプのケルヒャー社製を所有していますが、これらの道具の難点は、温度が上がるまで時間がかかる事と、使い終わってから温度が下がるまで、排水が出来ない点で、撤収に時間がかかってしまいます。

21)高圧洗浄機

これは吐出量が少ないタイプですが、火事現場での壁の煤の洗浄や、孤独死現場で、コンクリート面に体液が付着している場合に、使用します。
他にも、薬剤と一緒に水が出るタイプも所有しています。
ただ、体液はコンクリートの中に入り込むので、高圧洗浄機の前に、洗剤や薬品での処理が必要になります。

22)リンサークリーナー(ケルヒャー社製)

これは、水と薬液を吐き出しながら、それを同時に吸って汚れを落とす優れものです。
小型のリンサークリーナーが、市販されていますが、これは完全にプロ仕様です。
主に、カーペットや畳に付着した血や体液を効率よく洗浄します。
車のシートの洗浄にも使用できます。

 

23)サンダー(左 回転式BOSH製、右 前後式マキタ製)

この工具は、孤独死現場などで床材を取った際に、写真の様な横柱に体液が付着している場合に、使用します。
リフォームの際に必要となる横柱は撤去できないため、これらの工具で表面を削り、その後防臭塗料を塗布します。
また、火事現場消臭の際や、写真のようなコンクリートに付着した乾いた体液を削る際にも使用します。
回転式と、前後式の2台があると、様々な角度や向き広さに対応可能となります。
どちらも、作業しながら集塵できるので、非常に便利です。

  

24)カッター付きスクレーパー

孤独死現場などで、臭いの付いた壁紙を剥がす際に使用します。
また、接着式の床材のスポンジ部分は、非常に取り難いので、これを除去する際にも使用します。
刃は交換式であり、非常に使い勝手が良いものです。

25)照明具

暗い場所や、電気が無い場合に使用します。
左は、コード式で、右はBOSH社製の充電式の照明具で、首の角度を変えることが可能です。
床下の特殊清掃作業時に重宝致します。
 

26)コーキング&コーキングガン

隙間を塞ぐための道具であり、撤去できない現場などで使用します。
仕様に際して、綺麗にコーキングするためには、中々の熟練度が必要になります。

27)バール、ハンマー

これは主に、解体用の道具であり、火事現場や漏水現場で、解体する際に用います。

28)ペンキ、刷毛、塗料受け

孤独死現場や、ペット臭現場で、防臭塗料を塗布する場合に使用します。
塗料は、企業秘密なので、掲載しませんでしたが、塗料に薬品を混ぜて使用しています。

29)脚立、はしご類

写真は、通常の3段脚立と、伸縮性のはしご、上に乗ることが出来る「馬」と呼ばれる脚立です。
3段式は、天面の広い物を使用し、通常の使用である高い場所での作業をする際や、オゾン脱臭機を上に置いて、脱臭する際に使用します。
伸縮性のはしごは、高い場所での作業を容易にするとともに、小さくなる事で省スペースにも役立ちます。ただ、手を挟む危険があるので、収納には注意が必要です。
馬は、ハイエースなどの背の高い車の洗車をする際に、使用するので、ご存知の方も多いと思いますが、火事現場などで、天井に付いた煤を除去する際や、壁や天井などに防臭塗料を塗布する際にこれに乗って使用します。
弊社は、4台の馬を所有しており、全て高さも変えられるタイプです。
これにより、天井などの作業時に、何度も下に下りずに作業をする事が可能です。
また、写真を撮っておりませんが、スライド式のはしごもございます。
  

まとめ

以上が、特殊清掃業者が使用する工具や道具でした。
実際に使用している物なので、使用感はぬぐえませんが、すべて揃えると相当な金額になります。
細かい事を言えば、もっと道具はあるのですが、今回はこの29種を紹介しました。(他には、雑巾や、キッチンペーパー、多様な洗剤なども使用します。)
また冒頭でも記述し、今回は企業秘密なので、薬品は紹介していませんが、相当な数を有しており、酸性、アルカリ性、タンパク分解酵素入り、塩素系、過酸化水素系、二酸化塩素系等、本当に沢山あるのです。
また、特殊清掃をうたっている業者でも、解体工事の免許を持っていない業者が大半(エセ特殊清掃業者)なので、そういった業者は、違法になる事から、床や柱や壁の撤去や、壁紙も剥がせないので上記の様な工具を持っていないでしょう。
特殊清掃は、工具や道具ももちろん大切ですが、経験がモノを言う業種です。
安くても臭いが取れないと意味がありません。
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