認知症とゴミ屋敷の関係｜原因と片付け方、相談先まで解説

認知症の家族を抱えるみなさんは、親の部屋がゴミ屋敷になってしまい、頭を抱えているかもしれません。
「認知症とゴミ屋敷の関係は。」「どうすれば片付けられるの。」
そんな悩みをお持ちのあなたへ、この記事では認知症とゴミ屋敷の関係、原因、片付け方、相談先まで詳しく解説します。
親のゴミ屋敷問題に安心して対処できるよう、具体的な方法をステップごとにご紹介します。

□認知症とゴミ屋敷の関係性

認知症がゴミ屋敷の原因となるメカニズムは、大きく3つの観点から説明できます。

1: 認知機能の低下

認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が低下することで、日常生活に支障をきたす病気です。
認知症が進むと、物の場所を覚えにくくなったり、判断力が鈍ったりするため、部屋の整理整頓が難しくなり、ゴミ屋敷へと繋がることがあります。
例えば、不要なものを捨てられない、同じものを何度も買ってしまったり、ゴミの分別が分からなくなったりといった症状が見られることがあります。

2: 身体機能の低下

認知症が進むと、身体機能も低下し、歩くのが困難になったり、手足の動作が遅くなったりします。
そのため、ゴミ出しや掃除などの家事を行うことができなくなり、部屋が汚れ放題になってしまうケースも少なくありません。
また、身体機能の低下は、精神的な落ち込みにも繋がるため、片付けや掃除をする意欲を失ってしまうこともあります。

3: 社会的孤立

認知症の人は、周囲とのコミュニケーションが難しくなり、社会的に孤立しがちです。
孤独感が強まると、気分転換やストレス発散の機会が減り、部屋に閉じこもりがちになります。
その結果、部屋が散らかり、ゴミ屋敷と化してしまうケースも見られます。

□認知症のゴミ屋敷、片付け方のステップ

認知症の親のゴミ屋敷を片付けるには、焦らず、本人の気持ちに寄り添いながら、段階的に進めていくことが大切です。
具体的なステップは以下の通りです。

1: 本人の話を聞く

まずは、親の気持ちを理解するために、じっくりと話を聞きましょう。
なぜゴミを捨てられないのか、どんな気持ちで物を集めているのか、丁寧に聞き取ることで、親の心の奥底にある不安や孤独感が見えてくるかもしれません。
親の話を聞くことで、片付けを進めるためのヒントや、親の気持ちを理解するための糸口が見つかるはずです。

2: ゴミ出しの日を確認して伝える

親にゴミ出しの習慣を取り戻してもらうために、ゴミ出しの日を一緒に確認しましょう。
認知症の人は、一度聞いたことをすぐに忘れてしまうことがあります。
そのため、ゴミ出しの日を分かりやすくメモに書き、親が目につく場所に貼っておくのがおすすめです。
また、ゴミの種類によって出す日が異なるので、親に丁寧に説明し、理解してもらうように心がけましょう。
ゴミ出しをスムーズに行うことで、部屋のゴミが減り、片付けが進みます。

3: 一緒に片付けや掃除を行なう

親と一緒に片付けや掃除をすることで、親の負担を軽減し、部屋をきれいにすることができます。
親が片付けや掃除をする際に、具体的な指示を出し、手伝うようにしましょう。
例えば、「この箱の中身は不要なものだから捨てましょう」や「この場所には、この物を置きましょう」のように、具体的な指示を出すことで、親は安心して片付けに取り組むことができます。
また、一緒に片付けや掃除をすることで、親とのコミュニケーションを深める機会にもなります。

4: 自治体に相談する

親のゴミ屋敷が深刻で、自分たちだけで対応するのが難しい場合は、自治体に相談してみましょう。
自治体では、ゴミ屋敷の片付けや清掃に関する相談窓口を設けている場合があり、専門家のアドバイスや支援を受けることができます。
また、地域の福祉サービスや介護サービスの情報も提供してくれるため、親の状況に合わせて適切なサポートを受けることができます。

5: 片付け業者に依頼する

親のゴミ屋敷がひどく、自分たちでは片付けられない場合は、専門の片付け業者に依頼することも検討しましょう。
片付け業者は、ゴミ屋敷の片付け経験が豊富で、安全かつ適切な方法で片付けを行ってくれます。
また、不用品の買取や処分も行ってくれるため、親の負担を軽減することができます。
片付け業者を選ぶ際には、料金やサービス内容、口コミなどを参考に、信頼できる業者を選びましょう。

□まとめ

この記事では、認知症とゴミ屋敷の関係、原因、片付け方について解説しました。
認知症の親のゴミ屋敷問題に直面した場合、焦らず、本人の気持ちに寄り添いながら、段階的に片付けを進めることが大切です。
そして、必要に応じて、自治体や専門機関に相談し、適切なサポートを受けることで、親のゴミ屋敷問題を解決できるはずです。