
家やマンションで予期せぬ出来事が起こり、その空間が特殊な清掃を必要とする状態になることがあります。
このような状況では、通常の掃除では対応が難しく、専門的な知識や技術、そして特別な機材を用いた清掃が欠かせません。
なぜ、そのような清掃が必要とされるのでしょうか。
今回は、事故物件となる状況から、特殊清掃がどのように行われ、どのような作業が含まれるのか、そしてその費用の目安について解説します。
事故物件とは、一般的に、その物件内で自殺や他殺といった、心理的に抵抗を感じさせるような人の死があった場合を指します。
しかし、国土交通省が公表したガイドラインによれば、病死や老衰による自然死であっても、発見までに時間が経過し、室内に汚染や著しい臭いの発生が見られるような場合には、事故物件として扱われることがあります。
これらの状況は、物件の心理的瑕疵(かし)とみなされ、告知義務の対象となる可能性があります。
物件が事故物件に該当するかどうかは、自己判断せず、不動産会社などの専門家に相談することが重要です。
事故物件では、体液、血液、その他の汚物などが床や壁、家具などに付着し、深刻な臭いを放っている場合があります。
これらの汚れや臭いは、通常のハウスクリーニングでは完全に除去することが困難です。
特殊清掃は、こうした通常の清掃では回復できない汚れや臭いを、専門の薬剤や機材、高度な技術を用いて除去し、衛生的な状態に戻すことを目的としています。
これにより、物件の原状回復を図り、居住や売却が可能な状態へと近づけることができるのです。

事故物件における特殊清掃は、状況に応じて多岐にわたる作業が含まれます。
まず、遺体から染み出た体液や血液などの汚染物を特殊な薬剤を用いて除去し、徹底的に洗浄します。
その後、感染症のリスクを排除し、臭いの元となる菌を除去するために、高濃度の次亜塩素酸水による噴霧やオゾン燻蒸などの殺菌・消臭作業を行います。
故人が残された家財道具の整理や遺品整理が必要な場合もあります。
さらに、臭いが壁材や床材の奥深くまで染み込んでいる場合は、クロスを剥がしたり、床材を解体して下地の洗浄、特殊なコーティングを施したりといった、より専門的な処置が必要となることもあります。
これらの作業が完了した後、必要に応じてリフォームへと移行することもあります。
特殊清掃にかかる費用は、物件の広さや汚染の程度、処分する家財の量、作業人数や日数など、様々な要因によって大きく変動します。
一般的に、ワンルームで3万円〜10万円程度、1K〜1LDKで10万円〜30万円程度、2K〜2LDKで15万円〜50万円程度、3K〜3LDKで30万円〜80万円程度が目安とされています。
しかし、これらはあくまで目安であり、特に躯体部分の解体や大規模なリフォームが必要となる場合は、さらに高額になることがあります。
正確な費用を把握するためには、現場の状況を確認してもらった上で、複数の業者に依頼し、内容をしっかりと確認して依頼先を決めることが不可欠です。

事故物件となった室内は、通常の清掃では対応できない汚れや臭いが染み付いていることが多く、衛生的な状態を取り戻すためには特殊清掃が不可欠です。
特殊清掃では、汚染物の除去から殺菌、消臭、そして必要に応じて解体やリフォームまで、専門的な技術と機材を用いて行われます。
費用は物件の状況によって大きく異なりますが、正確な見積もりを取ることが重要です。
特殊清掃の必要が生じた際は、専門知識を持った業者に依頼し、丁寧な作業と確実な消臭・原状回復を目指すことが、物件の状態を改善する第一歩となります。